畜生道

切なさが雨のように降りしきった中で一匹の昆虫が
私の口の中で蕩けて炒ったので御免なさいと呟いた
寒さだけがベースラインを奏で風がエイトビートを刻む
ほんの一瞬だけの夜の様な瞬きの中での発熱は
貴方の前で裸になりたいと気が狂いながら思ったのだ
私は誰の前でも何も着ずに素っ裸の全裸になりたいのだ
それが例え窓が開いていようともお構いなしにだ
どんな気持ちでクリスマスを迎えるのだろうと思っていたのに
私に歌舞伎役者が呟いてきたので自殺しようと決意し
靴下を脱ぐだけの時間を泥の様に惚けて眠ったのだ
薬はいつでも私の拠り所だがピアノのメロディだけが
薬ではないと薬剤師の大先生を毒殺したい気持ちで一杯なのだ