イモジャージの人

右の恥を左の端から左の恥を右の端からと
メダパニを唱えるキツネ目の男の夜は
一杯のミルクティーが至福だとすら錯覚する
一杯のラーメンが地獄だと知っている午後に
何処にも行けずに膝を抱えて蹲っている
ゴリラのスナイパーは私を狙っているのだが
それを必死に止めてくれている子犬ちゃん
脳味噌からは金平牛蒡がニョキニョキと生えていて
本来の収穫祭の意味を履き違えた女子高生に
電動マッサージ機を宛がい発狂させる職人の歌
あぁ、これこそ動く秒針なのだなと
薄らとんかちを砕き割りながら一人咳き込むのでした