噛ませてあげる

貴方はいなくなってしまうのですねと蟇蛙が呟いた
肯いた貴方はCD-Rの様な虚ろな目で私から視線を外し
見ていたのは倫敦、巴里もしくは群馬の果てで
私が貴方の代わりになりますと人身御供を気取っても
薄っすらと排水溝に浮かぶ花弁の様に私は腐って逝く
今日も明日も明後日も自分以外の何かを求め
影を照らし合わせる行為を自慰の変わりに繰り返し
明日には9番目の私になれるのではないかと空を見つめ
私はカップヌードルの汁を乞食の様に啜るのでした