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気付けば24歳の夜明けは足音を立てずにやってきました
私の後ろに立っているのは金糸雀の泣き方をする女です
彼女は私を毛嫌いしている事くらいは容易に想像がつきます
ベンチャーズを彷彿とさせるギターのリフが聞こえてきました
その音を聞いている私以外の人は私と同じ人数だけいます
小気味良い転落人生はここから始まるのかと妄想をして
アルバイトに出かける準備もせず猫を愛でています
子供嫌いのカムパネルラを見ていると私を見ているようで
へっぽこ実験アニメーションの様な人生を過ごしたいと
快速電車の様に過ぎ去っていく日々を見つめています
夜が過ぎようとも昼が過ぎようとも猿だけは信じよう
そう心に決めた電車の中で女子高生が首を吊っていました
ダイアモンドが煌く絶望の淵に立たされる気分は
色で言えば紫なんだなとパープリンに思うのでした