6時58分

あれは新宿と池袋の間だったのを覚えている
真赤に燃えた朝焼けがビルの間に白昼夢の様に
プカプカとクラムボンに浮かんでいたのだが
私はそれを一瞬しか見れなかったのだ
ビルとビルの間に浮かぶ血溜りの様な赤い塊は
ビクビクと私の視線から逃げる様に隠れていた
私は太陽にすら嫌われた男として生きていくのか?
ヘッドフォンから流れる音楽は私を陰茎にし
ビクンビクンと勃起したまま私は眠りに付いたのだ
これから私はどの方向に向かって走ればよいのか
誰かそっと耳打ちしてくれないかと期待している