手袋とカレンダーとレコード

開かない眼に脅えて怠惰を貪る私は
いつまで立っても上には上がれないのだろうと
この無駄な格好だけの極道を嘆いたのでした
私はどうなったんですか?どうしたんですか?
まさか三枚目が来るとは思わなかったんです
落ち着いて煙草を吸おうと足掻いても
一口、煙を吸い込めば喘息患者の如く咽せ
私の口からは蛇や蛙がぴょんぴょんと飛び出し
どこに行けば出口なのか辺りを見回したのですが
ギターの音色はシャカシャカとしているはずで
その音が聞こえていた扉は閉まっていたのです
生きているって言いたいのは山々なのですが
死んでいるのが九割九部九厘の私には
大声を上げて「おめでとう」と他人を祝う事しか
出来ないと思って今日は埼京線に飛び込みます
明日は東武伊勢崎線に飛び込みます
明後日は西部池袋線で明々後日は東京メトロ丸の内線
私の日々は環状線の如くグルグルと
東京都と埼玉県を行ったり来たりしているのです