新宿駅南口

例えばあの注文の多いファミリーレストラン
くるくると真面目な話をしていた三助を思い出す
それだけで私はセンチメンタルな気分になり
ただでさえ切れてしまった精神安定剤
飢えた猿差ながらに欲してしまうのだ
私の本音はどこにあったのかといえば
あの大きな時計台の上に隠してきたので
いつか私とあの時計台に上ってくれる人を探します
私はどこにいますかと我武者羅に尋ねられれば
あのビルの屋上にいる銀色のふりをした茶色で
オレンジの私が一人ぼっちで佇んでいるのを
これ見よがしに揶揄しているのがあの猿です