夢は夜ひらく

寝ようと思っていたのに私はなぜ此処にいるのだろう?
此処でいくら喋ろうとしても無駄だという事はわかっているのだ
背中からどんどんと言葉が剥がれ落ちて行き宙返りを繰り返し
翻った金色の鬣に意味を求めようとばかりしている
剥がれ落ちた言葉などに意味はないのだ
それでも私はどこまでも自閉探索に伸びていくのだ
思えばここ最近、私は夜を感じていないのだ
あの孤独に打ちひしがれる時間程に言葉草の育つ時間はないのだ
私は光合成の出来ないミトコンドリアになってしまったのだ
それは悲観する事でもあるが自分を偽る前に
本当の自分が見つからなくなっているので
空中に投げ出された文字を拾い自分の名前を作ろうとしている
私の名前はなんだったのだろうか?名前すら咲かないのだ
これはもう死ぬべきだと思ったのだが屍蝋化死体は既に緑なのだ