朝が来たので夜を待つ

夜遅くまでヤマトヤケヤスデと格闘していたのだが
私の孤軍奮闘も敵わず電脳空間は灰燼と化し
灰色、青、黄色とカラフルなロボットの死ぬシーンが
空が白んできても頭から離れずに辟易としている
白い眼のライオンが太鼓叩きを食べるハッピーエンドは
旅立つ玩具とギターを忘れるのにはいい口実だった
しかし舞い戻ってくる幻想はピルケースから溢れ出す
しばしみた夢はというと背中にニクイロババヤスデ
這いずり回るという実にクレイジーでよく見る夢だった
しかしそのニクイロババヤスデは私であり
私が私を求めて這いずり回っているのだと思うと
フロイトを讃える歌をカリンバを片手に歌い出す
そう、私は狂人であるのだと私が教えてくれたのだ
世界には自分ほどの参考書も復習ドリルもない
あるのは乱丁の自分とうらぶれた老頭だけで
明日食べる一切れのパンにすら困っているのだ
それは誰のせいだと考えれば今は亡き家族なのだ
私は今は亡き家族がドリルで殺されるのを待っている