ゲイシーは傍観者

寝れずに暗闇の中に視線を泳がしていたのだが
割れた立ち鏡の中に牙を剥いたピエロが仰々しい顔で
眼を見開き辺りをギョロギョロと見回していた
しばらく眺めていると我が家の飼い猫と目が合い
一人と一匹は視線を交えたまま固まったのだ
ピエロは口を開くと猫に一言こう言った
「来年こそはテレビジョンを食べてやるのだ」
私はその時、なぜか勃起していたのだった