夢邪鬼

頭の中を百足や蜘蛛が這いずり廻る夢を見ていたのだが
携帯電話から目覚まし代わりに流れてきた警報のアラームは
今を時めくおニャン子クラブの阿鼻叫喚の歌声なのだ
忘れ去られた私の事を歌ってくれた阿鼻叫喚の歌声なのだ
目を覚ますべきか否かを迷っていたのに男性自身は
フライングをして草むらの上に仁王立ちなのだ
これは私が目を覚まさなければ男性が行進を始め
密林から去ってしまい私はニューハーフとして生きる羽目に
なってしまってからでは遅いと勢い良く布団から飛び出た所
脳味噌はシベリアに四肢は九州にメタボ腹はタンザニアへと
四方八方に私が飛び散ってしまったので唯一残った
雑巾の様に汚れたアイディンティティを大事にしなければ
明日にも私はカリフォルニア条例に抵触してしまうのだ