現実境界線

四葉は既に冷たくなり喋らなかったが
確実に私たちを生かしてくれた
果実は既に冷たくなっても喋っていたが
確実に私たちを殺してくれた
蘇我入鹿は何処にいるのか教えてくれと
貴方に問いかけたが貴方は微笑んだだけで
ここにある全ての空気を吸い込む
加湿器の様な炊飯ジャーだったのだ
新宿駅で中央線に乗る市橋達也を見たが
私は彼を逃がしてあげようと菩薩の心なのだ