顔面神経痛

窓に映った苦悶の顔が私だというならば
その窓の向こうで卑猥な顔をしているのは誰だ?
世界をデュアリズムで語るのには丁度いいが
私以外は誰もいないこの部屋に梟の眼差しを
放射線を描き発するのは私の妄想の産物である事を
正面から否定できず斜め35℃の角度でやんわりと否定する
しかし存在していた物は妄想だろうが空想だろうが
この世界のどこかにいると私は信じて止まない
それすら否定してしまった時に私の宇宙は
音もなく静かに息を引き取ってしまう気がし
終焉の恐怖に私は何も考えない呆け者の態で
薄っすらとカーテンコールを考えてしまった時に
私は苦悶の表情で必死に卑猥な顔を見ようとするのだろう