2007-06-28 夜のセラピスト 突然に目が見える事に恐怖を覚えた 目は見なくてよい物を見てしまう 同時に耳が聞こえる事に恐怖を覚えた 耳は聞かなくてもよい物を聞いてしまう したり顔で蝙蝠が私を見ているのは 超音波が私の脳髄から飛んでいるからだ ソナーさえあれば私の落し物は見つかるかと思ったが 何を落としたかという記憶まで落とした私は 五感をすべて失うという語感を楽しみつつ 物を言わないただの死体になるのだろう