デスクワーク

机の上には何があるだろうか
赤く丸い林檎の様な肉塊が
初夏の風に吹かれ腐っている
それは私の為れの果てとも言え
私の穴の塞がらない耳の様に
幾つもの声を鼻歌で誤魔化す様は
特に私特有の悪足掻きだ
机には烏賊のように十本の足がある
私の両足は亡き某の棒なのだ
鉄が錆びる様に足も錆びていく