弱視

目が覚めると同時に視線を探す
どこからとなく飛んでくる視線が
自分自身の物であったと解った時に
私はどこにいるのですか?と空中に尋ねる
自分の尻尾はどこにあっても追いかけられるのに
自分の視線を追いかけられない私は
体を膨らませたり縮ませたりしながら
電線の上を走っていく流行り病を見つめている
その視線は空中で翻り私を見つめ
何事も無かったかのように東へと消えていくのだった