塩辛い緑

部屋のドアを開けると大海原が広がっていた
これは久方の蛙の気持ちを忘れてはならないと
ぴよぉん、ぴよぉんと飛び跳ねてみた所で
私は自閉症で知恵遅れの塩川正十郎よりも
価値のない人間なんだなと虚しさがリフレインするだけで
そのリフレインは海の向こうまで聞こえることも無く
荒波にかき消され豪放磊落な懊悩演者となるのだろう