稲光で目が覚めて

鈍色の曇天に光彩が放たれる
そして雷鳴が轟くのだ
雨は気持ち程度しか降ってくれず
落雷によって発火した家は焦れこむように
くすみ、焦げていく
煙は鈍色と混ざりなんとも言えない階調となる
気づけば今宵も知らない間に雷神の宴が終わっている
そして遠くの方で稲光
陰々滅々とした稲光の明るさは正に僕の心の内だ
精神主義に準じれば稲光は光ではない
闇だ
私の心を暗く、照らし出す闇だ
・・・鏡にも映らない闇に寂々と雨が降る