展覧会の人

筆先から一粒の砂が零れ落ちた
その砂は私の心を透かしている様で怖かったのです
私は誰の為に動いているのか
私は自分の為に動いているのか
私は貴女の為に動いているのだ?
燃料を無理やりねじ込んだ戦車は砂埃すらあげれずに
レインボーブリッジを封鎖せんと立ち往生です
でも総ての砂粒が必ず宙を舞った事があるとは限りません
ただ、ここで二十六年も座り続けている砂もいるのです
私と同じ、自分とは何なのかがわからない砂が何万人もいる
それは安堵なのか恐怖なのかわからないまま
今日も薄いウーロンハイで誤魔化すのでした