7200円の損

私はテレヴィジョンに移るのだという妄想を繰り返し
気付けば狂言師の如く怪物に跨り世界を駆け抜ける
私の緩やかな一日は世界を震撼させる新幹線なのだ
脱兎の如く歩み寄る私は銀河で一番の虚け者なのだ
気付かなければ幸せだったと気づいた時に思うのは
何も解らない白痴になりサナトリウムの片隅で
一人遊びをしながら振動していたいと言う事だ
私はどこにいるのかわからない
私は頭の中の妄想に嬉しい悲鳴をあげながら
踊り狂っては精神安定剤を飲むのだった