トゲアリトゲナシトゲトゲ

いつの間にか私のロブスターがザリガニになっている
粉々に砕けた蜘蛛の身体が風に吹かれて飛んでいる
手の平にダイオウグソクムシを乗せているのはタラバガニだ
タランチュラが大百足の足に見とれて手も足も出ない
出るのは小蝿のちらつきとこそこそするホムンクルス
鼻の穴から出てくるそれらは大きなのっぽのトーテムポール
サルティンバンコな毎日はカンカン照りの鰤の照り焼きの夕食だ
腐った右耳から生えているのはオオミスジコウガイビル
私はホヤになりたいと懇願するのは現状海鼠の私なのだと
ノートブックに書きつつろうにもビネガロンの体液は臭いのだ
烏賊臭いのはきっと先日子供を三人ばかり犯したからだろう