ハミングバード

この街ですれ違う人は皆、違う方向を向いて歌っている
それは自分の歌に誰の声も混ざらないように歌っているのだ
自己主張の行く末は孤独なのだろう
一人一人と歩み寄って行き、ついには合唱になる
だがそれも見せ掛けだけなのだ
一人で歌う時は違う方向を向いているのだ
人は人が大好きだが人が大嫌いで堪らないのだ