思い出横丁

睡眠不足にオーバードライブと嘘を混ぜて
知ったかぶりを振り掛ければ私の完成だ
いつの間にやら夜は明けて時計は二周した
これぞ世界の終わる合図ではないかと勘繰り
真夜中の大地震が来るのを確信していたのだが
ニョキニョキと生えたアスパラガスの大草原が
爛れた皮膚に耳垢を鏤めた私の顔に風を吹かせ
来る物と言えば借金の督促状だけなのだが
私は嘘をついてこの世界を牛耳っていたのだ
世界は私、汚い飲み屋の隅で小蝿と共に眠って
起きるのは貴女が狂った歌を歌おうとした時だけだ
つまり私は眠らずの町で眠れぬ男を演じているのだ