食物連鎖

敬うべきは老害ではなく脳梅であると思ったのだが
ファミリーレストランへの道のりは激しくうねっているので
亀の甲より年の功とたんたかたんとリズムを刻み
尻を振りながら歩くマリリン・モンローは殴り殺してしまった
それからという物、暗闇の部屋の片隅には
体長が5m程あるガガンボが私の事をジーッと見ているのだ
動かないガガンボは生きているのか死んでいるのかもわからないが
少なくともあの複眼は含み笑いを浮かべながら私を見ている
風呂に入れば湯の熱さから脳味噌の沸いた蛆虫が這い出し
鉄串で刺された様な激痛に耐え切れず湯船で溺れ死んでいる
床一面にいるオオゲジの群れは私の死骸を食べている
壁にはクヌギヘラカメムシが大量に張り付いているので
私は腐乱しても誰も私に気づかず唯一の凝った遺骨も
オオミスジコウガイビルに食べられてしまうのだ