冷血動物

夜明けと夜更けの中間地点は混雑するので折り返せない
寝ぼけ眼で縦長のヘップバーンを見ていたのだが
焦燥感と共に便意を感じトイレへと長旅に出たのだが
便器から赤ん坊が手足を生やしていたのにはギョっとした
しかし落ち着きながら背徳の排便行為をすませ
全てを水に流し全ての罪を赦すと決めた矢先に
先ほど一瞬だけ除いた白い顔は誰なのだろうと不安に襲われ
そこら中に白い顔がチラホラと見え始め私は限界だと感じた
それでも私の隣で猫がニャアニャアとか細い声で鳴くので
「五月蝿い!このメス豚が!」と言い放ち火を放ったのだ
家族が燃えていく中、私は爬虫類の様な冷たい笑顔だったのだ