まほろば

モノクロの夜にカラフルな月が輝いているのだが
何人の馬鹿野郎があれは色盲の為の月だと気づいているのだろう
倒錯しているのが私だけだったら世界は私だけ平和なのに
人々がいがみ合って狂っているので土留色の世界なのだ
もし私が預言者ならば銀色の粉が空から降ってくると嘯き
虚言者と後ろ指を指されながらナイフで刺されるのだが
如何せん空から本当に銀色の粉が降ってきてしまったため
私の思惑通りに世界は動かないのだなと紫色のシャツを
ティーボーイの様に着こなしながら嘆いていたのだ
すると歪ませたギターの音が聞こえてきたので
これは永眠するいいチャンスだとばかりに布団に飛び込んだのだ
しかし医者は私を女にするというので股間を守りながら
まるで大天使の様に天国に満開の桜が花開くのだ