猫殺しの嘘

背中に妄言のナイフが刺さって果てる夜を妄想し
心臓に鈍痛をカナリアの如く囀らせる夜は楽しく
自分が戒めているキチガイのポーズすら取ってしまい
これはいけないと惰眠を貪っていたのだが
私でも貴方をバラバラにする事が出来る旨の電話が
リンリンリンリンとけたたましく啼いたので
私は再びキチガイのポーズで欣喜雀躍としてしまうのだ
貴方はどうか私の様な腐った死体にならずに
ドラックに溺れ全身を震わせて怯えていてください
壁越しに聞こえてくる低い声は誰の声かと
貴方に誰も知らない言葉で尋ねたいわけですから