フランドル・フランドル

目が眼鏡ごとプロペラの様に回りだした
これは私もついに飛び立てるチャンスかと
一握の魚卵を掴む思いでじっとしていたのだが
一向に飛び立つ気配はなくプロペラが出す風が
これこそ真のゆとり教育とばかりに旋風と化し
セピア色に染まった部屋を眺めていたのだ
頭がボーっとする薬を飲んでいたせいもあってか
足は蒸気機関車となり何処かへ走っていった
暗闇の何処とも知れない埼玉を走る足は
魂だけを運んでいるわけではないと教えてくれた
プロペラは腐り落ちたので私も腐れ落ちる事にする