ハネノネ

もしも私が空を飛べたなら貴方は今頃死んでいるでしょう
羽は対を成していないと飛べないとデカルトも言っていました
そんな大昔の事を真に受け生きると言う事は有限実行だと
お昇りさんの様に高飛車でいた青春時代を思い出すと
頭を抱えながら赤面のあまり翻筋斗打ってしまい
痙攣を起こしながら失神をし泡を吹き、まるで癲癇患者の様に
世界を恥じる事を思い出したのは今日の夜なのですが
如何せん心理捜査官に私の心が読めているとは思えず
埃の匂いのする洋品店で一杯の苦いコーヒーを胃から逆流させ
あぁ、これが私の羽なのかと再認識してしまう三日月の夜です
平均死亡月齢は75歳くらいでしょうか?それとも22歳でしょうか?
どちらにしろ私には近い内に死が突撃してくるのだと思うと
壁の中から黄色い人間が出てきても不思議と驚かないのです
意図しているか意図していないかは別として聞こえるのは
吃音交じりのハミングと開放弦だけのギターの音です
この音が私を悩ませていると決め付けています
ヘドロのスープも鼻水のスープも塩っ辛ければ美味しいという事で
ここはひとつ手を打ってもらえないでしょうか?
手を打つ為に私が長年愛用してきたニューナンブを貸すので
100メートル先の米粒を射的するかのように打って下さい
もし外れても私が腹を下すだけで済むのです