2007-11-11 影法師 布団の中で蹲っていると天井から巨大な黒い手が 私を包み込まんばかりに睨んでいた 手はニヤリと笑い部屋中の顔がニヤリと笑った 私は恐怖から電燈の紐に手を伸ばし電気代など気にせず 一心不乱に電気をつけたのだが黒い手は消えずに空中に まるで天井の近衛兵の様に天井を覆い隠していた 思わず目を背け視線の先にあった鏡を見ると 鬼の様な形相の私が死んだ魚の目で泳いでいた 明日はきっと来ないのだろう ずっと今日は今日なのだろう そんな薄ら笑いの予感がした