誇大図書館

黄昏時の埼玉県は海無し県ではなくなるのだが
私はほぼ同時刻に知恵遅れになってしまう
単細胞の脳はシナプスが繋がらず何時ぞやの
私の家で途切れた連絡網を思い回す電気信号を
マングローブ畑でマンドリンの音色で発する
家族がハワイへ行くと言うので雨が降っていることを
嬉しがっている私の性根は腐っているか醗酵している
往々にして醗酵物というのは異臭を放つものだが
私の部屋には青酸ガスの匂いが充満しており
いつでも私もハワイにいけると言う詭弁を
所狭しと壁際に並び立てているのだ
そこに列挙されたのは私の脳味噌でありブレインだ
いつでも燃やせるようにと死ぬ気の炎は絶え間ない