家猫主義者

猫が愛らしい瞳で私を眺めていた
私はまだ猫を愛おしいと思える心を
持っていた事に限りのない安堵を覚えた
私の肥溜めの心には誰も近づきたくない事を
淋しい事ではあるが知っている
現に猫の眼差しは軽蔑の眼差しであり
それを愛おしいと感じた私はマゾヒストだ
ニヒリストの世界では猫は神なのだなと
朝焼けの空の眼差しを蔑ろにして恍惚としている