猫の散歩

私は先ほどから此処にはいない
存在は容認されたのだが此処にいる気配がしないのだ
思えば此処は何処なのだろうか
周りに見えるのは緑色のギターと一握の砂
その二つがコントラストを織り成しながら
私の周りをぐるぐるぐるぐると動いている
それは此処なのだが此処ではない
透明な空気が淀んできている所を見ると
私は既に生きているのだろうか
考えていると頭が爆発したので
テレヴィジョンの神様に会いに行こうと
インターネットの海にサイレンを鳴らしながら
傷心旅行に出る事にしたのだ
だがどこまで行っても此処は此処なのだ
一方、私の部屋では猫が尻尾を起て毅然とした態度で
痴呆症患者の態で部屋を縦横無尽に歩き回っていた