秋の音

幾許かの音が耳の奥で産声をあげる
その刹那に音は声となり私の脳裏に
薄っぺらいビニールシートのように張り付く
音は其処で生まれたのか
元からどこかにあったのか
ただ声はここで生まれた
宇宙の球体をなぞるように光線が宙返りを繰り返す
光は生まれた時から光速なのか
初期加速はどこでついたのか
宇宙の真理についてはまだまだ勉強不足だ
そういえば今日は久々の快晴だった
光線がいくつも交差し、声がどこからでも生まれた
それは喜ぶべき事なのか
光線は声を運ぶ
空気は光線にまやかされる
今日の空気は40%だった
食パンになるにはまだ力不足である
地獄には食パンがあるのだろうか
地獄には光線も声もないだろう
だが一縷の望みとして食パンくらいはあっても善いだろう







「心中、ただ溺れる鮑の心
 蜩の体に
 稚児の頭脳」




今日は数学のテストだったので答案を返す前に
プリントの後ろにそう走り書きした