運ぶ者と運ばれる者

カラカラと何かを台車で引きずる音が聞こえた
ふと窓の外を見ると遠くの方から老人が棺桶を引きずり歩いていた
私はしばらくそっと見ていた
カラカラという音が続き・・・私の家の前で止まった
老人は私に気づいたようでこちらを向いた
目が合った
すぐに逸らしたが気まずい
しばらくの沈黙の後、老人は気難しい顔で言った
「今日はおめぇじゃねぇよ」
安堵感に包まれた