邪教の儀式3
今朝、御師さんが大家さんと隣人の女性と共に来た
烏帽子を被り、幣束を持っていた
お祓いは外で行われた
小さな社のようなものを立て、
人形を立てかけ
一斗缶に火を焚き
縄で四方を囲った
私たちは手を合わせ俯きつつ
御師さんがお払いをするのを傍観していた
すると声が聞こえた
「ワタシハコロサレルノカ」
頭の中に響くような声だった
外人訛りだったので人形の声だと察した
私は無視をした
しかしずーっと聞こえていた
「ワタシハモドレナイノカ」
「ワタシヲタスケテクレ」
「ワタシハナニモシテイナイ」
「コウフクヲイノッテイタノダ」
・
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しかし私はずーっと無視していた
最後に人形を燃やすことになった
人形が火に入れられる直前に声が聞こえた
「ワタシヲタスケテクレタラネガイヲカナエテヤロウ」
しかし無視した
何事も無い日常が私の望んでいるものだったからだ
御師さんが人形を一斗缶の中の火に投げ入れた
人形が黒く焦げて行く際にも声が聞こえた
「ワタシヲ・・・」
人形が墨になる頃には聞いた事の無い言語で叫んでいた
「ジャニハジュムオキヒャグギントガウギュー!!!」
頭が張り裂けそうなほどの声だった
しかし、火が消える頃にはうんともすんとも言わなくなった
これで平和な日常が戻ってくるのだ
しかし外人から見たらこれこそ邪教の儀式なのだろうと思った