沈丁花

枕元にサンタクロースが佇んでいた
「今日はクリスマスじゃないよ」と諭すと
悲しそうに闇に溶けていった
枕元に大目玉も佇んでいた
「暗闇だから何も見えないでしょう?」と尋ねると
悲しそうに闇に溶けていった
枕元に青い巨人が佇んでいた
「貴方は畸形児なんですね」と哀れむと
悲しそうに闇に溶けていった
枕元に私が佇んでいた
何も言わずに見つめていると
悲しそうに闇に溶けていった