三匹の猫

気づけば私は家の前の道路でピエロと大縄跳びをしていた
なぜこんな事をしているのか記憶がないがとても楽しかったのだ
何処からともなく流れてくる夕焼け小焼けの音楽と共に
ピエロはテントへとパレードをしながら帰っていった
私は疲れたので横になろうと家へ入るとそこには私の飼い猫が
ニャアとか細い声で一鳴きし私の帰りを迎えてくれた
猫に赤ちゃん言葉で話しかけながら部屋へ入ると部屋の中には
もう一匹の飼い猫がニャアとか細い声で迎え入れてくれた
しかし私の飼っている猫は一匹のはずなのだ
この双子かクローンかという私の二匹の飼い猫のどちらかは偽者か?
どちらにしろ私には二匹の猫を飼う余裕はないので
一匹の猫を愛媛みかんのダンボールに入れ捨てに
人気のない神社に来たのだがそこには既に私の飼い猫が
心無い中学生の仕業だろうか全身に傷を負い血塗れで死んでいた
虚けの私にもこれは夢だとわかった時、猫はオカリナを吹いていた