夜の色

夜は不思議だ
ただの空腹感が鉈を構えて襲ってきただけなのに
真夏の夜の夢にしみじみと叫びたくなるのだ
いつの日かに見たオリオン座は今でも
冬の皿に乗り大空満漢全席だというのに
あれから私の冷蔵庫には腐りかけた鮭の切り身があるだけで
私の腹の虫は苦虫を噛み潰しながら夏の蝉の様に鳴くのだ
その鳴声にシンパシーを感じてしまった貴方はきっと
私と同じ例年通りの一人寂しい冬が来る
たとえ貴方が平野綾だとしても貴方は貴方だ
世界中の誰よりも貴方は貴方色だ