感情論の隠喩

泣いていた私の記憶はあるが
笑っていた私の記憶はない
昭和のノスタルジーの風に不意に吹かれると
私自身の頭が破傷風になった様で
臆病風の奥に畸形児を隠した現代社会に
何かと反抗したくなってくる物だ
首が伸び腹は破裂しまさに地獄絵図の如しであった
擬人法の果ては人間だ
誰しもが人間になり帰って来る
遅かれ早かれ時が来る時を私は
堕胎の態で不束に待つのが宜しいと
宣教師は呟いたのだ
畏怖とはその事を差すのだろう
花が散る思い出だけ私の脳裏にフラッシュバックされる